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山の話

平治岳のミヤマキリシマ——山は、約束を守る

ミヤマキリシマという名前を、声に出して言ってみてほしい。深山霧島。霧の深い山に咲く、霧島の花。言葉そのものに、どこか湿った風の匂いがする。前日の夜、私は車の中で眠った。駐車場が朝には満車になるという話を聞いていたから、そうするほかなかった。...
八百屋の話

青果担当が教える梅の選び方と漬け方

梅が出る季節になった。青果売り場に梅が並びはじめると、何年売り場に立っていても、少し気持ちが変わる。野菜と違って、梅は「待っている人がいる」のが伝わってくる。かごに手を伸ばすお客さんの顔が、いつもより少し真剣だ。去年の梅酒がまだ残っていても...
山の話

ミヤマキリシマの烏帽子岳に朝駆けすべきでない理由

阿蘇・烏帽子岳。その名前を聞いたとき、私はなぜかすぐに行こうと思った。理由なんてない。強いて言えば、名前が格好いい。それだけだ。烏帽子というのは、平安貴族や神職が頭に被る、あの黒くて縦長の帽子のことだ。山の形がそれに似ているからそう呼ばれて...
山の話

福岡から富士山へ行きたいけど、何から始めればいい?【2026年完全ガイド】

あの山を初めて意識したのは、いつのことだっただろう。新幹線の窓から見えた、というわけではない。絵葉書や教科書の写真でもない。ただある日ふと、「富士山に、登れるものなのだろうか」と思った。漠然と、しかし確かに。由布岳でブロッケン現象を目にした...
八百屋の話

青果担当が教えるらっきょうの選び方と漬け方

らっきょうが届く朝は、少し独特だ。箱を開けた瞬間に、あの匂いが来る。土の匂いと、らっきょう独特の硫黄に似た刺激。好きな人は「ああ、この季節が来た」と思うだろうし、苦手な人は顔をしかめる。どちらの反応も、毎年見ている。らっきょうは梅と並んで、...
山の話

英彦山に本宮を見に行った話

去年の12月、英彦山の本宮が改修工事を終えたというニュースを目にした。あの山頂の社が、どんな姿になったのか。それを確かめたいという気持ちが、ずっと頭の端に引っかかっていた。登山の動機というのは人それぞれだ。絶景を見たい、体を鍛えたい、精神を...
八百屋の話

母の日は「子ども目線」で売れ|青果担当が教える、売り場が変わった日のこと

ある母の日の午後、ひとりの女の子が売り場に来た。小学校低学年くらいだろうか。うちの娘と同じくらいの年齢で、カーネーションの前でしばらくじっと立っていたあと、こちらを見上げてこう言った。「……どれがいいですか」お母さんにプレゼントしたい、とい...
山の話

【高崎山登山】サルだけじゃなかった。別府湾を一望する628mの小さな大きな山

「高崎山」と聞いて、まず何を思い浮かべますか。おそらく9割の人が「サル」と答えると思う。ニホンザルが1000頭以上いる自然動物園。子どもの頃にテレビで見た、あの場所。登山の山として意識したことは、正直なかった。ところが実際に登ってみたら、思...
八百屋の話

重いトマトだけが、正直だった

「このトマト、甘くなかった」そういう経験が重なると、人はだんだんトマトへの期待を下げていく。わかる。わたしもかつてはそうだった。でも青果の仕事を続けるうちに気づいたのは、「外れを引く」のは運じゃないということだ。トマトはちゃんと「読める」野...
八百屋の話

プロの八百屋が教える「メロン」の話 ── 見極め方から、あの網目の秘密まで

スーパーの売り場に並んでいても、なんとなく声をかけにくい。手に取るのにちょっと気合いがいる。値段もそれなりだし、「食べごろを外したら嫌だな」という緊張感もある。そのくせ、食べてみると「なんでもっと買わなかったんだろう」と思う。今回は青果部門...